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アメリカ、ニューヨーク州中部、豪雪地帯として有名なこの地域で暮した私とカーリーンの春夏秋冬です。 |
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冬: 大人の肩ほどまで雪が積もるそんな時期に、私は渡米しました。 来る日も来る日も雪ばかり。 学校へ通う以外は屋内で過ごすしかない状況で、最初の2,3週間をカーリーンは、日本からの 珍客を遠巻きに観察するばかり。 しかし、物静かで部屋にこもりがちな私に、いつしか擦り寄ってくるようになりました。 アメリカで初めてできた親友に、私が際限なく愛情を注いだのも不思議ではありません。 そんなカーリーンの冬場の生活はいたってシンプル。 屋内の一番静かで暖かい場所に丸くなり、お昼寝をして一日を過ごすこと。 そして、抱き上げたカーリーンの背中からは、いつも誇りっぽい屋内の匂いがするのでした。 春: 4月中旬になり、初めて地面が露出してくると、カーリーンは朝からソワソワし始めます。 窓から見える景色の変化を、自分の目で確かめなくては気がすまないのです。 朝一番に外へ出かけると、手足が冷えてくるまでの1、2時間の間、雪の下から顔を出す草花やテリトリーの目印を確認して、 泥んこになって戻ってきます。 そんなカーリーンからは、おいしい外の空気を沢山ふくんだ、 すがすがしい春の香りがするのでした。 夏: 家の前を流れる川は、その上流にビーバーが生息するという清流。 そして、その川にそって、広大な墓地が広がり、また家の裏にはウッドチャックが巣を張り巡らすほどの広い丘。 一面は芝の緑と新緑で一杯になり、そしてカーリーンにとっては待ちに待った狩猟の季節の到来です。 早朝、野生の動物達が目を覚ます前に外へ出て、まずは小鳥を狙って木登り開始。 それでも、地面を這うシマリスを目撃しようものなら、飛ぶように早く地面を駆け抜け、 暫く姿を見かけないかと思うと、 獲物を誇らしげにくわえて帰宅。 気温が上がる昼過ぎは、もっぱら風通しの良い室内で昼寝をし、 夜間活動へ備えて英気を養うのでした。 夕方、陽がおちると、あたり一面はホタルの柔らかい光で一杯になります。 長いお昼寝から目をさましたカーリーンは、暫くホタルを追いかけてぴょんぴょんとジャンプ。 そして、車の往来がなくなる頃、向かいの墓地へと、一日の最後を締めくくるパトロールへ出かけてゆくのでした。 深夜に帰宅し、私の枕元へ戻るカーリーンからは、深い新緑の匂いが、そして、目を覚ました私が窓の外を見上げると、 蛍のつがいが、幻想的な光を放ちながらゆらゆらと空たかく舞い上がって行くのでした。 秋: 9月中旬には、木々は一斉に紅葉を始めます。 顔を出す獲物も少なくなり、カーリーンにとっては少し物足りない季節。 それでも、大自然の中で暮らす猫にはやることが一杯。 木の上によじ登っているかと思うと、フクロウを装うかのようにしゃがみこみ、近づく鳥や昆虫に狙いを定めます。 紅葉の季節も後半になり、ハラハラと落ちてくる落ち葉をめがけてジャンプ、ジャンプ。 運動不足になる冬を前に、墓地や裏山を駆け回り、疲れようものなら、丘の斜面で横になり読書をする私にゴロゴロとすりより、 喉をなでて貰うのでした。 そんなカーリーンを抱き上げると、マツボックリの匂い、松脂の匂がしてくるのでした。 そして、10月下旬には初雪が降り、11月末の感謝祭が終われば、 季節はクリスマス。 カーリーンはクリスマスツリーが大好き。 キラキラと輝く電飾を眺めながら、 カーリーンはほぼ一日をその傍らで過ごすようになります。 まるで、電飾に願いを込めるかのように、じっと光を見詰めるカーリーン。 別れの季節を前に、私も一緒に願いを込めて祈りました。 「カーリーンがいつまでも元気に野山を駆け回れますように」と。 そして、季節は今また夏。 カーリーンは今日も、あの豊かな自然の中で沢山の小動物を追い掛け回していることでしょう。 |
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